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760/ Clinical Neuroscience vol26 no11 p1176 |
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・投稿者/ 管理人
・投稿日/ 2009/01/06(Tue) 09:10:54 |
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社会的グルーミング
(1)メラノコルチンによる癒し行動 グルーミング行動にはいろいろなパターンがある. ヒトがペットを撫でるのもグルーミングであるし, 母親が赤ん坊の背中をトントンと叩きながら寝かせ付けるのもグルーミング, 逆に,子どもが年寄りの肩を叩くのもグルーミング行動と考えられる. これらの行動はストレス緩和,グループ内の仲間意識,母子関係,家族意識など さまざまな社会的役割と関係する. 社会的グルーミングは,人間以外の霊長類,サルやゴリラなどでも認められる. 一方,ラットの場合には自ら顔を洗うような仕草をすることが観察され, 自己グルーミングと表現される. このラットの自己グルーミングについては, かなりのデータが蓄積されてきていて,特にオランダのGispenのグループは 長年研究を行ってきている. 今回は,その総説1)を参照しながら, ヒトにおけるグルーミング行動について考察した. グルーミンク行動の出力系 社会的グルーミングは二者間の行動であり, グルーミングする側と,される側がある. 癒しという点では,グルーミングされる側に効果があるように一見想像されるが, 実は,グルーミングする側,すなわちグルーマー自身にも癒し効果が現れる. ペットを撫でるヒトの側,あるいは赤ん坊をあやす母親の側に, ストレス緩和,癒し効果が現れる. このようなグルーミング行動はどのような制御システムで発現されるのか. それをラットの自己グルーミングの研究データから整理してみよう. ラットの自己グルーミングは,顔を両手で洗うような運動であり, 上肢の交互のリズム運動からなる. 下肢の交互のリズム運動は歩行として知られる. グルーミングも,歩行と同様に,パターン化したリズム運動であると 定義できるだろう. そのパターンジェネレーターは脳幹の中脳中心灰白質に存在することが 破壊実験などで示されている。
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